トゥールーズ(Toulouse)の生活がどんなものなのか、実際に住むまではなかなかイメージしづらいと思います。
この記事では、実際に家族でトゥールーズに暮らしている立場から、観光情報では分かりにくい「生活目線」での街の特徴を紹介します。
「家族で暮らす街」として、トゥールーズは本当にちょうどいい街だと感じています。
Contents
トゥールーズの基本情報(人口・場所・街の特徴)
ラグビーファンの方であれば、欧州最強チームとして名高いStade Toulousainのホームとして、航空関連業界の方であれば、航空機メーカーAir Busの本拠地としてご存じかの方もいるかと思います。
また、「ラ・ヴィル・ローズ(La Ville Rose)」=バラ色の街、ピンクの街として聞いたことがある方もいるかもしれませんが、ほとんどの日本人にとっては「どこだそれ」といった感想だと思います。
トゥールーズはフランス南西部に位置する都市で、パリからは飛行機で約1時間ほどの距離にあります。人口は約50万人で、フランス国内ではパリ、マルセイユ、リヨンに次ぐ第4位規模の都市であり、フランス南西部、オクシタニー地方の中心都市とされています。
第4位の規模というと、日本では東京、大阪、名古屋圏に次ぐ福岡や札幌などの大都市をイメージされるかと思いますが、人口50万人というと、関東では宇都宮市(約52万人)、関西では姫路市(約53万人)といった地方の都市と同程度となります。
では、実際のところどうなのかというと、両者のいいところを合わせた中間のイメージです。
地方の中核都市としての「都市機能」をもちながら、「都会過ぎない落ち着き」もあるバランスが取れた住みやすい街という印象です。
パリのような華やかさはないものの、馬や牛しかいないような田舎ではなく、空港、鉄道などの交通網も整理された、何でもそろう住みよい街です。
なぜ「バラ色の街」と呼ばれるのか

冒頭でトゥールーズは、「ラ・ヴィル・ローズ(La Ville Rose)」=バラ色の街、ピンクの街と呼ばれていると紹介しました。
これは、旧市街の建物には赤レンガが使用されており、特に夕暮れ時になると街全体が夕焼けに染まり、美しいバラ色となることに由来しています。
古くからこの周辺の土地では粘土が豊富で、レンガ造りの建物の歴史は古く、トゥールーズを代表する観光地の一つでもあるサン・セルナン大聖堂が初めて建立された5世紀には既に使用されていたとのことです。
実際に街を歩いてみると、日本の都市と全く異なることは当然ですが、パリのような石造りの白い景観とも異なり、街全体の温かみを感じながら、歴史の古さも強く感じることができます。
朝焼け、夕焼けの時間の美しさは言わずもがな、バラ色に包まれた町並みは思わず写真に収めたくなるほどです。
トゥールーズの生活:パリとの比較
フランス在住の日本人はおよそ3.6万人、その3分の1の1.2万人ほどがパリに住んでいるとされています。そんな、パリと比較して、トゥールーズのでの生活をいくつかお伝えしたいと思います。
観光地化されすぎていない落ち着き
トゥールーズには年間、およそ500万人もの人が訪れると言われており、街の規模に対しての訪問者は多く、フランス国内でも人気の観光地となっています。しかし、年間7000万人以上の観光客が集まるパリのように街全体、毎日が観光地となっている様子はなく、平日や日曜は街全体が落ち着いていて、生活のしやすさを強く感じます。
生活コストが比較的安い
フランス移住を考える上で、やはり気になるのが生活費、特に「家賃」ではないでしょうか。パリでは市内で1LDKを借りようとすると、立地によっては1,500ユーロを超えることも珍しくありません。一方、トゥールーズでは同じ条件でも700〜900ユーロ程度が相場感となります。
外食費やスーパーでの食費も、全体的にトゥールーズの方が2〜3割ほど抑えられる印象です。
特に家族での生活を考えた場合、この差は月単位で見るとかなり大きくなります。
とはいえ、私自身パリで生活をしたことがあるわけではないので、詳細についてはこちらのサイトNUMBEOを参考にご確認ください。

また、保育施設や子育て関連サービスについても、パリでは待機や競争が激しい一方、トゥールーズでは比較的マシな状況と聞いています。
「都市としての機能は十分にありながら、生活コストは抑えられる」という点は、地方都市トゥールーズならではの魅力だと感じています。
人が温かい
あくまで個人の見解となりますが、個人的に最も驚いたのが、人の温かさです。
フランスに移住する前には、「フランス人の接客は冷たい」、「フランス人は絶対に英語を話さない」など、半分笑い話のような噂話を聞き、戦々恐々としていましたが、今のところトゥールーズではそのような経験をしたことがありません。
むしろ、困っている私たちに対し言葉が通じないながらも何とか助けようとしてくれたり、子供と道を歩いていると「かわいいね。」と話しかけていただいたり、道や電車の席を譲ってくれたりと、本当に優しく接していただいています。
なお、このことをUberの運転手さんに話してみたところ、「そのイメージするフランス人は、パリの奴らだ。トゥールーズの人はみんないいやつだ。」と教えてくれました。
トゥールーズの治安は?実際に暮らして感じたこと
移住前に気になっていたことのひとつが、治安でした。
地方都市とはいえ、海外生活である以上、不安はあります。
実際に暮らしてみて感じるトゥールーズの治安は、以下の通りごく一般的なヨーロッパの都市といった印象です。
- 日中は比較的安心して歩ける
- 観光地特有のスリの多さは感じない。
- 夜間は場所を選ぶ必要あり
特に、家族連れや学生が多いエリアは落ち着いていると感じます。
一方で、夜遅い時間帯や人通りの少ない場所では、最低限の注意は必要です。
日本文化と日本人への印象
トゥールーズの街を歩いていると、寿司屋、ラーメン屋が多いことに気づきます。また、本屋には大きな漫画コーナーもあり、アニメのTシャツやパーカーを着ている人も良く見かけます。
また、アジア人の私たちに対し「中国人か?」と話しかけることはなく、基本的には「日本から来たのか?」と聞いてくれることも個人的にはうれしいところです。
そして「日本は素晴らしい国だ。」「日本人は好きだ。」と言っていただけることもあり、日本へ良い印象を持ってくださっていると感じます。(日本の先人達に感謝です。)
最近では、Stade Toulousainの斎藤選手の活躍も日本人のイメージをよくしているようで、「斎藤はいい選手だ」と言ってもらったこともあります。
私たちも日本人のイメージを崩さないように気を付けようと思います。
トゥールーズの気候・自然環境と暮らしやすさ

トゥールーズは、南フランスらしく日照時間が長く、一年を通して比較的温暖な気候です。
緯度こそ、旭川市と同程度のようですが、冬でも雪が降ることはなく、日本の本州と同じ程度の過ごしやすさだと思います。(詳細はこちらのサイトで確認ください。)
トゥールーズ、東京都、パリ における気候および気象を比較 – Weather Spark
また、市内には運河や公園が多く、子どもと一緒に過ごしやすい環境だと感じています。
車で少し移動すれば、アルビやカルカッソンヌなどの街やピレネー山脈など自然豊かなエリアにもアクセスでき、「都市」と「自然」の距離が近いのも魅力です。
トゥールーズでの生活が向いている人・向かない人
実際に住んでみて、トゥールーズは次のような人に向いていると感じます。
- パリほどの刺激は求めていない
- 落ち着いた環境で生活したい
- 子育てをしながら海外生活をしたい
- 研究・仕事に集中したい
一方で、
- 常に刺激が欲しい
- 日本語環境を重視したい
- 観光・華やかさを期待している
という方には、少し物足りないかもしれません。
実際に住んで感じた良い点・気になる点
良い点
- 生活コストが比較的抑えられる
- 街がコンパクトで移動しやすい
- 観光地化されすぎていない
気になる点
- 日本語情報が圧倒的に少ない
- 英語が通じない場面も多い
- 手続きはフランスらしく時間がかかる
それでも、
「暮らす」という視点では、かなりバランスの良い街だと感じています。
まとめ|トゥールーズは「暮らすための南フランス」
トゥールーズは、全世界か観光客が押し寄せるほどの派手さはありません。
しかし、落ち着いて生活し、家族と日常を大切にするには、とても向いている街です。
パリ以外のフランス、地方都市での移住生活を考えている方にとって、トゥールーズは十分に検討する価値のある選択肢だと思います。




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