「フランスに移住する!」そう決めた後に最も重要となるのが「ビザ申請」です。
- 「どのビザが自分に合っているのか分からない」
- 「書類が多すぎて、何から手を付ければいいかパニックになる」
- 「申請の流れがイメージできず、出発に間に合うか不安」
私自身旅行用のビザ取得は何度か経験があったものの、長期滞在用のビザの申請は初めてで上記のような悩みがありました。 情報が溢れる中で大切なのは、最新の「公式情報」と、誰かが実際に通った「実体験のプロセス」の両方を知ることだと思います。
この記事では、我が家が実際にビザを取得した際の手順を、時系列で具体的に解説します。
Contents
はじめに:この記事はどんな人におすすめ?
フランスのビザ要件は、滞在目的や家族構成によって大きく異なります。
そのため、まずはこの記事が「どんなケースの参考になるか」を簡単にまとめておきます。
この記事は、特に以下のような方に参考になる内容です。
- フランス移住を予定している方
- タレントパスポート(Passeport Talent)を申請予定の方
- 家族帯同ビザ(Talent-famille)を取得したい方
- 長期滞在ビザを取得したい方
- 小さい子ども連れで海外移住を予定している方
- 研究職・ポスドク関連で渡仏予定の方
我が家のケース(研究職・1歳児連れのタレントパスポート申請)
- 家族構成:夫婦+娘(当時1歳)
- 渡航理由:研究職フェローシップによる渡仏+家族帯同
- 滞在タイプ:長期滞在
- ビザの種類:
- 本人:タレントパスポート(Passeport Talent)
- 家族:Talent-famille(家族帯同ビザ)
【全体像】タレントパスポート&家族帯同ビザ申請の5ステップ
Step1 France-Visasで申請書作成
- 公式ポータル「France-Visas」でアカウントを作成。
- Visa Wizardで必要書類を確認し、オンライン申請書を入力。
Step2 大使館の予約確保
- 東京の在日フランス大使館の予約サイトで、申請日時を確保。
- タイミング: 出発の6ヶ月前から申請可能。枠が埋まりやすいため、早めの予約が必須です。
Step3 大使館でビザ申請
- 予約日時に必要書類一式(パスポート、証明写真、アポスティーユ付き戸籍謄本など)を持参。
- 窓口で書類提出と生体認証(指紋採取・写真撮影)を行います。
Step4 審査とパスポート受取
- 審査期間: 通常5〜15営業日程度。
- ビザが貼付されたパスポートを、郵送で受け取ります。
Step5 入国後のオンライン有効化
- フランス入国後、3ヶ月以内に専用サイト(ANEF)でビザの有効化(Validation)手続きを行います。
※ 重要: これを忘れると滞在が不法とみなされるため、到着後すぐの手続きを推奨します。この方法については別途記事を作成したいと思います。
フランスビザ申請で実際に大変だったこと
実際に動いてみて感じた「リアル」なポイントです。移住準備の記事でも触れた通り、早めの準備が成功の秘訣です。
大使館の予約が取れない(家族3人分の枠確保)
在日フランス大使館のビザ予約は非常に埋まりやすく、特に夏季はFrance-Visasで申請書を作成した後、すぐに予約を確保することをおすすめします。
私たちが6月の初旬に確認した時はすでに9月初旬まで予約枠がありませんでした。
また、予約枠は家族単位ではなく、個人単位での予約が必要だったので私たちのように家族3人で予約を取る場合、まとまって空きが出ている必要があったことも予約を取りにくかった原因だったと思います。
ビザ申請フォームの入力
基本的には私たちの個人情報や所属について淡々と埋めていけば問題なかったのですが、何を書いたら良いのか、どのように書いてよいのか困った点もあったので、一部となりますがこちらで紹介します。
アポスティーユ付き戸籍謄本の準備
「アポスティーユ」と聞きなれない言葉でとっつきにくいかと思いますが、戸籍謄本にアポスティーユと呼ばれる書類を添付して翻訳する必要があります。つまり戸籍謄本の取得→アポスティーユの取得→翻訳といった3ステップを行う必要があります。
戸籍謄本の取得から翻訳まで1か月程度かかる計算だったので、追加で必要になっても困ると考え少し多めに10通分準備しました。
本当にこれで足りている??
いろいろな調べれば調べるほど、「これで本当に足りているのか?」という不安が募り、申請時期が直前となってしまったことも相まって一番のストレスとなっていました。
解決策があったわけではありませんが、結果的には”ビザ申請時に要求された書類”以外に求められた書類はなく、過剰な心配はしないでもよかったと感じてました。
【チェックリスト】ビザ申請で必要だった書類一覧
実際に我が家が用意した書類の一覧です。基本的にはビザ申請時に要求された書類を準備しましたが、他の方がブログで紹介していた書類も一応準備していきました。
- タレントパスポート(Passeport Talent)本人用の書類
- Convention d’accueil(受け入れ証明書)
- 修士課程以上の証明書
- 帯同家族のビザ(Talent-famille)用の書類
- アポスティーユ付き戸籍謄本
- 未成年者の出生証明書あるいは家族手帳のコピー
- 雇用契約書
- 共通で求められた書類
- パスポート
- 証明写真
- ビザ申請フォーム
- 念のため準備したもの
- 資金証明
- 保険
- 書類のコピー
- 返信用封筒
- 申請費用
以下、それぞれの詳細です。
タレントパスポート(Passeport Talent)本人用の書類
・Convention d’accueil(受け入れ証明書)
妻の受け入れ先の秘書さんはとても仕事が早く、ありがたいことに受け入れ開始の7か月前には受け入れを証明するレターを送付してくれていました。
しかし正式なフォーム(cerfa No.16079*03)でなければならないことが大使館に行く1か月前にわかり、この書式での証明書を再度送付してもらいました。
また、私たちは仕事が始まる2週間ほど前にフランスに入国したのですが、受け入れ開始日と入国の日付の差を説明するために「仕事の準備を行うために2週間程度早くからフランスに来る必要がある」との旨を記載したレターも受け入れ先から一応もらっておきました。
・修士課程以上の証明書
大学から郵送で取り寄せました。申請も郵送のみで少し遅れているように感じてしまいました。
帯同家族のビザ(Talent-famille)用の書類
・アポスティーユ付き戸籍謄本
アポスティーユとは、外務省HPに説明されている通り、海外で日本の公文書を使用するための外務省の認証のことです。
取得方法は、東京の外務省・大阪分室・郵送での3通りの方法で申請・取得することができ、私たちは郵送で取得しました。(外務省HP)
アポスティーユは割印してホチキス止めされています。これを取ってしまうと無効になるようですので注意が必要です。
アポスティーユの取得後は翻訳です。翻訳は誰が行っても良いわけではなく、法廷翻訳事務所が大使館のサイトで紹介されています。私たちは、この中から数件見積もりをとり、一番条件の良かった事務所に依頼をしました。
翻訳の完了までに3ステップが必要となるので、余裕を持った発注が必要です。パスポートの取得にも戸籍謄本が必要となる場合もあるので、戸籍謄本は少し多めに持っておいてもよいかもしれません。
・未成年者の出生証明書あるいは家族手帳のコピー
娘(1歳)は未成年なので、出生証明書あるいは家族手帳のコピーの提出が求められていました。しかし、日本にはこれらに該当する書類は存在しないようで、下記コメントに従いアポスティーユ付き戸籍謄本と法廷翻訳を準備しました。なお、「母子手帳の出生届出証明のページ」を代わりに準備しておくべきとの情報もあったので、私たちも一応準備していきました。
・雇用契約書
私と娘に雇用契約はないので、何を準備していいかよくわかりませんでしたが、妻のConvention d’accueilを準備しました。
共通で求められた書類
・パスポート
『2ページ以上の空白ページと、滞在期間+3か月以上の有効期限』が必要となります。
私は申請書作成時点で有効期限が滞在の途中で切れてしまうことに気づき、急いでパスポートの更新を行いました。
通常、パスポートは有効期限が1年以下にならないと更新できないのですが、海外赴任や留学などで長期間日本を離れる予定がある場合は特別に更新ができるので、住民登録のある都道府県のパスポートセンターのHPをご確認ください。
・証明写真
私たちはパスポートの申請を行った際にパスポートセンターの横にあった撮影所で撮影しました。自動撮影機ではなく、カメラマンに撮影していただいたので1歳の娘もなんとかうまく撮ることができました。
・ビザ申請フォーム
すべての項目を記入し、印刷して署名を行いました。
記入方法で困った部分はこちらに記載しています。
念のため準備したもの
・資金証明
銀行の残高証明証や収入証明証が必要との情報があったので、夫婦それぞれの銀行口座の残高証明を取得しました。有効期限が1か月とされていたので発行日には注意が必要です。
私たちは大使館で提出を求められることはありませんでした。
・保険
フランスで有効な医療保険/海外旅行保険の加入証明が必要との情報があったので。保険契約書を準備しました。加入した保険はStep inです。(詳細は別記事で記載する予定です。)
・書類のコピー
万が一のことを考え、書類はすべてスキャンしてPDFファイルをiPhoneに保存し、紙のコピーも持っていきました。紙のコピーを使うことはありませんでしたが、PDFファイルはフランスに住み始めた後にとても役に立ちましたので、申請時にデジタルデータ化しておくことをお勧めします。
・返信用封筒
私たちは郵送でのパスポートの受け取りを希望していたので、家族3人分のレターパックプラスを準備していました。
・申請費用
書類ではありませんが、おつりが出ないように現金を3人分に分けて”現金で”持参しました。
【実録タイムライン】準備開始からビザ発給までの3ヶ月
私たちが実際にどのようなスケジュールで動いていたのかを時系列でまとめました。準備から取得まで3か月、出国の1か月前にはビザを取得することができました。
大きな問題はありませんでしたが、出国1か月前に大使館に行き申請を行うことになってしまったので、大使館の予約だけは早く取っておくべきだったと反省しています。
・2025年2月|受け入れレター受領
受け入れ先の機関の秘書さんから、研究受け入れに関するレターを受領。
後々必要であることがわかる「Convention d’accueil(受け入れ証明書)」となります。
この時点ではまだ「ビザ準備を本格的に始める」という実感はあまりありませんでした。
・2025年3月|少し調べて、そっと閉じる
私たちは10月中旬ごろに出国と考えていました。
半年前に差し掛かったこのころ、ビザについて少し調べ始めるものの「なんとなくいけるかな…」と思い特に何をするでもなくそっとPCを閉じました。
・2025年6月初旬|ついにビザ準備を開始、書類集め
このころ、時間があれば大阪万博のパビリオンの回り方ばかり調べていた私たちでしたが、ついに重い腰を上げて“ビザモード”へ。
夜10時ごろからFrance-Visasの入力を開始し、必要書類を調べながら申請フォームを埋めていきました。
気づけば深夜2時近く。
私は途中で眠すぎて寝落ちしていました。
このタイミングで私自身のパスポート更新が必要なことも判明。
大使館の予約を確認すると、取れたのは出国1か月前の9月4日。。。
申請からビザの受領までは通常2週間との情報があったものの「これはまずいかもしれない……」
と焦ったのを覚えています。
翌日から、本格的に必要書類の収集を開始。
まずは戸籍謄本を申請し、同時にパスポート更新の手続きも進めました。
証明写真もこのタイミングで撮影。1歳の娘の写真撮影はなかなか大変でしたがプロの力を借りてかわいい写真が撮れました。
アポスティーユ付き戸籍謄本の翻訳についても見積もりを開始。
翻訳・認証まわりは想像以上に時間がかかる印象でした。
2025年6月末|主要書類が揃い始める
更新したパスポートを受領。保留となっていた申請書類
また、アポスティーユ取得と翻訳を進めていた戸籍謄本関連書類も、このタイミングで翻訳事務所へ送付しました。
少しずつ必要書類が揃い始め、「なんとか間に合いそう」という感覚が出てきました。
2025年9月4日|大使館でビザ申請
ついに迎えた在日フランス大使館でのビザ申請。
当日は万全の状態を整え、予約時刻の15分前には大使館前に到着しました。
ところが、入り口で予期せぬトラブルが発生。守衛さんから「娘さんの分の予約が確認できないので入館できません。」と拒否されてしまいました。
少し焦りましたが、もちろん娘の予約枠も確保しており、1歳児だったからなのか入館名簿に記載されていなかっただけだと判明し、無事に入館を許可してもらえました。
窓口での書類提出はスムーズに進み、特に問題なくHPで要求された必要書類を淡々と提出しました。
生体承認(顔写真・指紋の撮影)は大人のみだったのですが、娘もやりたかったようで機嫌が悪くなってしまいました。幸いにも窓口の待合スペースにはおもちゃが置かれており、このおかげですぐに機嫌を直してくれました。私たちは待ち時間がなかったのですが、こういった配慮は子連れにはありがたいと思いました。
準備の時はかなり不安でしたが、実際には想像していたよりかなりスムーズで、滞在時間は30分もかかっていなかったと思います。
「こんな感じでよかったのか」
と胸を下ろして、話しながら帰ったのをよく覚えています。
2025年9月5日〜6日|ビザ発給
申請の翌日である9月5日、Web上でビザのステータスを確認すると、すでに「受け取り可能」に更新されていることに気が付きました。
さらにその翌日の9月6日には、ビザが貼付されたパスポートが早くも自宅にレターパックで到着。
私たちの出国日が迫っていたため、大使館側で特別に早く対応してくださった可能性もありますが、本当にありがたい限りです。申請から受領まで、実質わずか2日という驚きのスピードでした!
迷いやすい「France-Visas申請フォーム」の入力ポイント6選
France-Visas申請フォームの入力時に迷ったポイントを、一部ではありますが紹介しておきます。
6. Lieu de naissance (出生地):
日本のパスポートには出生地として”県”が書かれていますが、どのレベルでの記述が求められているのかよくわかりませんでした。私たちは”市”の名前を書きましたが、それを証明するエビデンスもなく突っ込まれたらどうしようと思っていました。
11. Numéro national d’identité, le cas échéant (個人識別番号):
マイナンバーカードの番号を記入しました。1歳の娘もマイナンバーカードを作っていたので、問題なく記入できました。
23. Je sollicite un visa pour le motif suivant (ビザの申請理由):
妻は「Activité professionnelle」、私と娘は「Etablissement familial」を選択しました。
25. Quelle sera votre adresse en France pendant votre séjour ?(フランス滞在中の住所):
フランスの滞在先が決まっていなかったので、このタイミングでホテルを予約しホテルの住所を記載しました。
29. Quels seront vos moyens d’existence en France ? (生活費はどう賄うのか。)
Serez-vous titulaire d’une bourse ?(奨学金を受け取るか?)
Carte de crédit, Numéraire(クレジットカード現金)を選択しました。奨学金の欄は妻はYes,私と娘はNONとしました。
現金をどの程度持っているのか聞かれてもこたえられるよう、銀行の残高証明を持参しました。
30. Serez-vous pris(e) en charge par une ou plusieurs personne(s) en France ?(フランスで、誰かに扶養・支援されますか?)
妻の申請書はこの欄も奨学金の情報を記載しました。私と娘はNONとしました。
これから申請する人へのアドバイス
ビザ申請は完璧を求めすぎると動けなくなります。
まずは「予約を確保する」という大きな石を置いてから、隙間を埋めるように書類を揃えていく「段取り」を意識してみてください。
まとめ
フランスのビザ申請は、始める前はとても大きな壁に感じます。
私たち自身も、
「本当に間に合うのか」
「書類はこれで足りているのか」
と最後まで不安でした。
振り返ってみると、大切だったのは完璧な情報を集めることよりも、ひとつずつ順番に進めていくことだった気がします。
この記事が、これからフランス移住を目指す方の不安を少しでも減らせれば嬉しいです。




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